2019/12/10
ほぼすべてのオフィスに導入されているFAX。しかし、近年はその必要性が疑問視されています。受信のたびに紙へ印刷されること、仕分けやファイリングの手間などが主な理由です。
こちらでは、紙のFAXの必要性や、代替案としてのFAX受信サービスについてお話しします。
連絡の手段が豊富になった現在、紙でのFAX受信にメリットを感じている方は少ないのではないでしょうか? 具体的にはどのようなデメリットが考えられるのでしょう。代表的なデメリットを以下にご紹介します。
カウンター保守契約を結んでコピー機・複合機を導入している場合、印刷の枚数に応じてカウンター料金が発生します。これは、FAXを受信した場合も例外ではありません。紙でFAXを受信する件数が多いほど、カウンター料金のコストが大きくなっていきます。
届いたFAXは内容や発信者に応じて仕分け、あるいは廃棄する必要があります。記載内容や発信者を都度確認して仕分けを行うのは手間です。また、仕分けの内容に不明点がある場合、内容がわかっている担当者が仕分けの時点で出社していなければ、確認の遅れや漏れにつながることもあります。
発注書、在庫確認票など、速やかに確認しなければならない書類をFAXで受信している場合、受信した時点で複合機に取りに行く必要があります。一件ごとの手間は微々たるものですが、積み重なると確実にリソースを圧迫するでしょう。
紙で印刷する以上、紛失や破損、汚損のリスクが考えられます。受発注に関する重要なFAXを確認できないと、大きな損失につながることも考えられます。また、取引先と「送った」「送っていない」というやり取りが必要になることもあり、スムーズな取引の妨げにもなりかねません。
紙で受信したFAXは必要に応じてファイリングしておかなければなりません。担当者、受信日時、カテゴリなど、FAXの情報に沿った分類はそれだけで大きな手間になります。また、受発注取引に関する証憑は、法律で保管が決まっているため、一定期間保管しておく必要があります。多くの企業では、専用の保管場所も確保し、場合によっては保管場所を借りるためのコストが発生することもあります。
紙のFAX受信では、通信の時間と印刷の時間がかかります。大量のFAXを連続で受信する場合、すべての受信が完了するまで長い時間がかかるでしょう。発注が殺到する繁忙期などは、業務に滞りが生じるかもしれません。
EDIやメールなど、現代のビジネスにおいてITを駆使した受発注方法は一般化しています。FAXをこうした手段に置き換えることは可能なはずです。しかし、実際には以下のような事情から、不都合を感じながらもFAXを廃止できない現場・業界が少なくありません。
特に中小企業など、顧客や取引先がFAXでの連絡手段を選んでいる場合、それに合わせなければならないのが現状でしょう。何か特別な理由があってFAXが採用されている可能性もあります。このような場合、こちらの都合でFAXを廃止することは困難です。
FAXを廃止し、EDI(電子データ交換)のシステムを導入すれば、上述した問題を解消できます。しかし、取引先数に対してFAXでの発注頻度が少ない場合、システム構築にコストをかけづらいでしょう。今後、FAXでの発注が増えるか減るか見通しが立たないという現状もあります。
受発注のEDIシステムには商品情報を登録しておく必要があります。FAXからEDIシステムに切り替えた場合、商品情報を登録するために多くのリソースを消費しなければなりません。また、商品情報が変わった場合、都度入力が必要です。この手間を懸念していることから、結局FAXでの受注を継続している現場も多いようです。
上述したデメリットを解消するのがFAX受信サービスです。FAXはデータとして受信されるため、紙への印刷はありません。サービスによっては、発信者に応じた自動仕分け機能、バックアップ機能、テキスト検索機能など、オフィスニーズを意識した機能が搭載されています。受信したFAXはデスクのパソコンで確認できるほか、クラウドシステムにアクセスできればオフィス外からも確認可能です。
現場によっては紙でのFAX出力が必要な場合もあるでしょう。しかし、あくまで慣例的に紙で出力している場合は検討の余地があります。紙に印刷するFAXに不便を感じている場合は、本当に必要なのか検討してみてはいかがでしょうか。あるお客様ではFAX受信サービスの導入を機に、業務フローの見直しを実施され、大幅な業務効率につながったそうです。
FAX受信サービスはあくまでFAX受信をアウトソーシングするサービスのため、顧客や取引先に連絡手段の変更を強いることはありません。クラウドサービスを利用するリテラシーがある現場では、FAX受信サービスに切り替えたほうが明らかに効率的です。