「電子書籍という逆境に負けない!魅力的な店舗づくり」 三洋堂書店様インタビュー 本部編 ①

今回は、中部地方を中心に87店舗の書店を展開する株式会社三洋堂書店の販売企画グループ 望月様と店舗運営部の鵜飼様(以下、敬称略)に、電子書籍など新たな書籍のスタイルが登場する中、現在書店業界が置かれている状況や、魅力ある店舗作りに向けての取り組みについて伺いました。



書店業界における現在の状況について、現在どのようにお考えですか。

鵜飼:経済産業省の統計などを見てもはっきりしていますが、全国の書店数は年を追うごとに減少傾向にあります。活字離れが進んでいることはもちろん、タブレットなど手軽なデバイスで読むことができる電子書籍の登場など、複合的な要因が絡み合った結果だと考えています。当社でもお店の来店数は決して伸びている状態とは言えません。


そんな状況のなか、どのような戦略を立てられているのでしょうか。

鵜飼:書籍以外の商品も取り扱っていくという「ブックバラエティストア」戦略を数年前から取り入れています。書籍に関連した様々な商材を扱うことで、お客様を増やしていこうという試みです。すでに2年ほど前から店舗作りにもブックバラエティストアの考え方が取り入れられています。現在は、お客様の生活に沿った提案を行うことで、リアルな店舗の魅力がアピールできるように様々な施策を行っているところです。


複合的な商品を取り扱う書店はこれまでもあったように感じていますが、他の書店とは何が異なるのでしょうか。

望月:CDやDVDソフトのレンタルやゲームソフトなどを扱っている書店は確かにありますし、最近では古本を扱う書店も登場しています。我々はその領域だけにとどまらず、例えば駄菓子やアイス、玩具など、まったく異なるアイテムを積極的に扱うようにしています。これは、単価の安い商品を置くことで来店客数を伸ばすための戦略です。小さな商圏のなかでできる商売ということを念頭に、客数を上げるために安価な商材を呼び水にしようという試みなのです。


最近ECサイトをオープンされていましたが、どういった目的で立ち上げられたのですか。

望月:実は、コミックの著者に書いていただくイラストなどの特典を、付加価値として書籍と一緒に販売することがあります。この付加価値の付いた書籍を、遠方にいらっしゃるコアなファンの方が購入したいという要望が多く寄せられたことで、ECサイトを始めることになったのです。こういった付加価値をつけるのは、なかなか電子書籍ではできない部分ではないでしょうか。


他にも何か施策として取り組んでいることはありますか。

鵜飼:当社では様々な商材を扱っているため、例えば夏に旅行雑誌と野外で遊べるグッズをセットで紹介したり、花火の季節には雑誌とランチボックスを一緒において販売したりといった「クロスセリング」なども行っています。関連製品をお客様に提案することで、お店ならではの魅力的な棚作りを行い、多くのお客様に足を運んでいただこうと日々知恵を絞っています。そのために、キャンペーン企画や棚作りのアドバイスなど、部署ごとに様々な指示書を店舗に送り、それを実行してもらうようにしています。


今回店舗maticを導入したのは、この指示書に関連した課題だと伺っています。具体的にはどんなことが課題だったのですか。

望月:書店やレンタルなど7つの部署からそれぞれ指示書が店舗に郵送で送られてきますが、これが1週間におよそ20枚程度。具体的には、イラストや画像を添付し「今回のフェアでは添付のような棚で展開してください」といった指示です。この指示書通りにオペレーション出来ているかどうかの確認作業が、複数店舗を管理するブロックリーダーの役割でした。しかし、確認作業のためだけに店舗を回ることで手間がかかるだけでなく、移動のためのコストも発生していました。1店舗確認に30分程度かかるとしても、毎週多くの時間が作業として発生していました。他の業務に注力してもらいたいという思いもあり、何らかの方策を検討したのです。


他にも課題がありましたか?

鵜飼:この指示書自体が紙で保管されており、作業が終わっていない場合は指示書自体をファイルの束から探す必要があります。この作業に時間がかかるだけでなく、紛失してしまうことだってあります。自分の経験から、店舗のストレスを可能な限りなくすことができないかと考えていました。

また、指示書通りに実行できたかどうかを本部に連絡してもらうのですが、7割ぐらいしか回収できていませんでした。せっかくタイミング良く指示を出しても作業できていないことがあれば、貴重な機会を失ってしまうことにもなりかねません。

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