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消費者の購買行動が変わりつつある今、「良いお店」って何だ?

”実店舗”だからこそ求められているのは・・・

さて、未だにEC市場は成長していますが、それでも「日本におけるECの売り上げは日本全体の消費の店舗,お店,買い物,購買体験,接客3%」と、マクロ的視点で見ればまだまだ小さいものです。

しかしミクロ的な視点で見ると、ECに「思いっきり」シェアを奪われている・奪われつつある業態が存在します。

飲食店など、その場で・その時間にサービスが享受されるサービス業は当然ですが、日配商品・中食など賞味期限の短い小売業は、売るモノ自身の特性により「ECにシェアを奪われる」という危機から守られていると言えるでしょう。しかし、消費期限もなく、モノ自体で差別化するのが難しい商品は、ECにシェアを奪われるリスクに日々晒されています。

特にアパレル、ドラッグストア、家電販売店などはその対象でしょうか。該当する各社では、他社のEC展開への対策や、逆に自社がECをどう活用するか、といった議論が、既にされ尽くしていることと思います。

では、冒頭の問いかけに戻りますが、そのような業態が提供するモノを「実店舗で買う意味や価値」は何でしょうか?
それはモノを買う時の”体験“ではないかと考えます。


例えば、かなり背伸びをしてはじめて、高級靴を買おうと思っている人や、恋人を喜ばせようとジュエリーを買おうとしている人は、どこで購入するでしょうか。高級靴やジュエリーは今やインターネット上でも購入できますが、店舗に足を運んで購入する方が多いのではないでしょうか?

そういった顧客に重要なのは、足を運んだ店舗で得られる「安心した」「納得できた」「新しいことを知ることが出来た」「親身にされた」という購買体験であり、それ自体が今後、その人自身がそのお店で買い続ける要素になっていくと考えた方がいいでしょう。

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”商品力”から”接客力”にフォーカスしつつある、各企業の取り組み

しかし、店舗のスタッフがいつも通りの決められた接客だけをしていたら、上記のようなような購買体験を求めて来店しているお客様に、的確なコンタクトはできず、体験を提供する機会を逸してしまいます。

逆に、それができれば、リピート率向上やロイヤリティ向上に繋がると言えます。

しかし実際には
①忙しい店舗では、お客様に求められている体験を提供する時間が作れない
②“モノを買う体験”に価値を感じる層“と判断できず、通常の対応をしてしまう
③そもそも店舗スタッフに対応スキルが無い、対応できるスタッフが育ちにくい

という理由から、実現できていない企業も多いと思います。

あるアパレル企業の方は「今、各社の店舗では商品から接客に回帰している。我々本部は、店舗での接客をどう支援してあげられるかが重要だ」と仰っていました。そのような企業は多くなっているように見受けられます。例えば、大手アパレルショップのUNITED ARROWSでも『情熱接客』と掲げたキャンペーンを行っていました。

「あなたを、10分でまるごと変えます。」というキャッチコピーが付けられたこのキャンペーン。来店したお客様は、「情熱接客」と書いたバッチを付けた店舗スタッフに話しかけることで、キャンペーンに参加します。そして「ご来店いただいたお客様に、服について熱く話し、服とお洒落のいろはをご教示し、似合う服をコーディネートし、本当の服と出会いを楽しんでいただく」というものです。

買い物の楽しさは「欲しいものが買える」という時代から、「こういう風に買った」「お店でこんな事があった」というものに、既に変わっているのです。

もう取り組みを始めている企業も多いとは思いますが、改めて「”今の”良いお店とは」を考えて、必要なアクションをきちんと「形にする」タイミングなのかもしれませんね。



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