【後編】閑散期も有効活用。「2月」を制するものは1年間を制す!?

今回は、前回に続き、「2月の閑散期を有効に活かす店舗運営」について考えて行きたいと思います。

前編では2月の有効活用の具体的な例として、「業務の見直し」と「スタッフへの業務移行」について解説しました。後編では「顧客とのコミュニケーションの見直しについて書きたいと思います。


「コミュニケーション」で売上予算達成?!

日々店舗では、商品やサービスについての問い合わせや質問、クレームやお叱りの声など多くのコミュニケーションが存在しています。ただし、これらは全て「お客様から店舗へ」のコミュニケーション。この2月は「店舗から顧客へ」のコミュニケーションを考える機会にしてみてはいかがでしょうか。

3~4月は消費者の購買意欲が高まりますので、売上予算もそれに比例して高く設定されていると思います。しかし予算を達成することは決して易しいことではありません。そこで、「店舗から顧客へ」のコミュニケーションを、売上予算を達成するためのアクションプランとして活用することをご提案します。

これまで私が接してきた企業においても、コミュニケーションを活発に行った店舗と、そうでない店舗の予算達成率の差は、一目瞭然でした。

では、どのようなコミュニケーションを増やせばよいのでしょうか?

この数字を上げる為に効果的なのが電話でのコミュニケーション、いわゆる「テレアポ」です。2月は顧客名簿をにらテレアポ,買上客数,客単価みながら、各顧客の嗜好を把握した上で電話やメール、時にはFAXを活用して来店を促すためのテレアポを行います。

「テレアポなんてしたくない、できない」という声も聞かれます。また「お客様に迷惑かな?」と思い、躊躇するスタッフもいるでしょう。しかしそれでは売上は作れません。それに、電話をかける方が、どのような内容をどのようにお伝えするか次第で、迷惑どころか喜ばれる電話にすることもできるのです。

先日、とある企業の方から「お客様は意外と”電話連絡を迷惑とは感じていない”ことがわかってきた」と伺いました。「電話の内容を『あなたは特別』『あなたの為に』という内容にアレンジすれば、お客様にとっては迷惑どころか『手厚いサービスを受けた』と感じ、ロイヤリティを感じてもらえる」のだそうです。


「買上客数」と「客単価」、それぞれを上げるポイント!

さらに、電話やメールのコミュニケーションをする上で、いくつかのポイントがあります。

売上は「買上客数」×「客単価」という2つの要素に分けることができます。「買上客数」と「客単価」を上げるために、コミュニケーションという観点でどのようなポイントがあるのか、<買上客数を増やすポイント>と<客単価を上げるポイント>とに分けて解説します。

<買上客数を増やすポイント>

電話やメールで来店を促すことは「買上客数」を増やすことに繋がりますが、この時に必ず来店日時を指定することがポイントです。来店日時を決めることで、お客様の予定の中での優先順位が高くなるのです。

逆に、来店日時が決まっていないと、他社のライバル店舗、場合によっては自社の他店舗にまで、お客様を奪われてしまう、というリスクもあります。
実際に、私自身もよく利用しているセレクトショップチェーンの【新宿店】【渋谷店】の2店舗から、同じタイミングで電話をいただくことがあります。同じ商品ラインナップで、距離的にもほとんど変わらないため、先に来店日時を決めた店舗の方へ行こう、となっています。

<客単価を増やすポイント>

来店日時が決まったら、顧客の嗜好に添った商品をお勧めできるように確保、つまり取り置きしておきます。この取り置き分もお客様別に売上予算へ組み込むことで、「○○様に絶対にお買い上げいただくのだ」と、目標としての意識付けが徹底されますし、目標と現状とのギャップを可視化しやすくなります。

さらに、ご来店頂いたお客様に、予定していた商品以外もお勧めすることで、「客単価」をアップさせることが出来ます。この時にノベルティやプレミアムといったものがあるとお勧めしやすいですし、お客様としてもお店に行ったことに価値を感じ、意義が生まれます。

これまでにお話したような施策を実践している企業の中には、来店された際に次回の約束を取り付けている企業もありました。この企業の方は「店舗としては次月の予算達成も見えやすくなる。またお客様からも『毎月私の好みのものを見立てて取り寄せてくれる』と喜んでいただいている」と仰っていました。

既にこのようなコミュニケーション施策を、閑散期の2月に限らず、毎月実施できている店舗もあると思います。そのような店舗では、「通常月の○倍のコンタクトを取る」という具体的な目標を立てても良いかもしれません。 

また実施していない店舗では、今回の記事を参考にして、すぐにでもアクションを起こしてみてはいかがでしょうか。前編で書いた「業務の見直し」と「スタッフへの業務移行」と合わせて優先順位を付けた上で取り組んでみてください。 2月を、3~4月の商戦に向けた助走期間に、そして1年間を制するための有意義な月にしましょう。

【前編】はこちら


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