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【前編】閑散期も有効活用。「2月」を制するものは1年間を制す!?

2013年も1ヶ月が過ぎようとしています。初売りではSC、百貨店、スーパーで堅調な動きを見せましたが、政権交代による株価上昇や為替動向の影響はあまりなく、相変わらずの節約志向が見られました。現状では、日用品や実用品が良く動いているようです。

毎年1月は「初売り」をはじめ「福袋」「冬のセール」とイベントが目白押し。その反動もあって、2月は消費も落ち着いて、閑散期となるのが一般的で、年間の売り上げ推移を見ても、一番の谷となるのは周知の通り。そのような時期に能動的に何かできることはないのでしょうか。

今回は、「2月という閑散期を有効活用する店舗運営」について書きたいと思います。


閑散期の捉え方、こうご提案します!

店舗によってサービスの種類や販売チャネルの違いはありますが、「超」多忙な1月から比べると、2月は少々落ち着店舗運営,閑散期,業務移管,棚卸きます。しかしある企業の方は「2月の戦い方、使い方が定まっておらず、課題だ」と悩まれていました。

そこで提案です。
この閑散期の2月を「業務の棚卸し期間」、「春夏実売への準備期間」とするのはいかがでしょうか?。

2月の売上目標達成はもちろんですが、閑散期とは春のピークに向けて、売り場の体制や仕掛けを固めるべき時期と位置づけることができます。そして超多忙ではないこの時期だからこそ、年間を通してのモチベーション維持に時間を費やすことも可能です。
少々大袈裟かもしれませんが「2月を制する店舗は春を制す」、そして「春を制する店舗は年間を制す」ことにも繋がっていくのです。

では具体的には、この時期にどのようなことを実施したらよいでしょうか?
それは、以下の通りです。


・「業務の見直し」
・「スタッフへの業務移行」
・「顧客とのコミュニケーションの見直し」


上記のうち、今回は「業務の見直し」、「スタッフへの業務移行」について解説します。
(「顧客とのコミュニケーションの見直し」については後編で)


本当に必要な業務かを見極める!

店舗では様々な業務が発生しています。ただし、その業務が「昔から実施しているから」「それが普通だから」「そのように教えられたから」、そのまま疑問を持たずに実施し続けている、という場合は、黄信号です。

それぞれの業務で、実施している「目的や背景」は明確になっているでしょうか?「目的や背景」が明確ではない業務は、実施すること自体が目的となってしまっている、と言えます。
その目的や背景を踏まえ、実施後の「結果や効果」の振り返りをすることで、その業務が「有効であるか」、「もう少し方法を変えて続けるべきか」、「止めるべきなのか」、などの判断ができるようになるはずなのです。
これらは特にSV・エリアマネージャーや店長に求められるマネジメント能力といえます。

ある企業での事例ですが、店舗で大型プリンターを使って商品を作成していました。店舗では毎朝この機器を操作してメンテナンスシートを印刷して、毎日ファイリングしていました。そしてさらに、隔週でメンテナンスシートを本部へ送り、問題があった場合は本部からメンテナンスの指示が来るという業務フローでした。

スタッフが毎日ファイリングしていたことに気が付いたSVが、店長に「なぜ毎日実施しているのか?」と聞いたところ「前からやっていたから」との答えが返ってきました。
この機械は簡単に壊れるものではなく、隔週で本部にメンテナンスシートを送るだけで機械の維持ができることを、SVは知っていました。結局このSVの発案で、全店で実施していた毎朝のファイリングは止めることになり、業務負担の軽減に繋がったのです。

一度全ての業務とそれぞれの実施の目的と背景を洗い出してみて、本当に必要かどうか、改善の余地はないか考えるのに、最適な時期なのではないでしょうか。


スタッフへの業務移行は、様々な効果がある!

次に業務の中で「目的や背景」が明確になっていて、「結果や効果」も把握できている場合は、施策を3つのステップで分析してみましょう。


1)なぜ、そのような「結果や効果」であったのか?
2) その結果や効果を生んだ「成功要因」は何だったのか?
3) この結果をさらに良いものとする為に何ができるか?


これらの観点から業務を分析して、今期も活きる(活かせる)施策とそうでない施策とに、仕分けするのです。

そして仕分けした上で、それがこれまでSVや店長の業務であったならば、スタッフへの業務移管を検討してみましょう。
なぜなら、スタッフへの業務移管により、4つもの効果が期待出来るからです。

1.スタッフにより大きな仕事を任せることで、スタッフのスキルアップやモチベーションアップにつながります。以前ご紹介した「チェーンストア店長調査」からも、「スタッフのモチベーション管理に課題感を持っている店長が多い」ということが見えています。

2.スタッフの育成につながります。「【前編】店舗数を増やしても売上が伸び悩む!?出店計画を阻害する要因とは。」でも触れたように、店舗数拡大に伴う人員不足の解消にも繋がります。

3.人材のレベルが上がることで、多くの知恵も生まれ、新たなイノベーションが誕生していく可能性があります。

4.SVや店長の業務が削減されることで、新たな業務仕分けにおいて、上記の「3)この結果をさらに良いものとする為に何ができるか?」を思案する為のリソース創出につながります。

「業務の棚卸し」と「スタッフへの業務移行」には時間もパワーも掛かるもの。だからこそ、閑散期の2月に実施して、春の商戦に備えたいですね。

次回の【後編】では、2月に実施したいもうひとつのテーマである「顧客とのコミュニケーションの見直し」について触れたいと思います。




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